JA広島農青連

INTERVIEWひろしま農家人

大下 博隆さん

東広島市

自分で美味しいと思える野菜を作りたい。

もともと飲食店に14年間勤めていましたが、親の家庭菜園で育った野菜を口にした時、小さい頃に食べた野菜の味を思い出しました。

農業を職業に選んだのは、「自分で美味しいと思える野菜を作りたい。」と思ったことがきっかけです。

今は、賀茂台地という恵まれた自然環境の下、米作の他、トルコギキョウ、葉牡丹、茄子、白菜、ごぼう栽培に取り組んでいます。

茄子栽培では、防蛾灯や土着天敵(害虫を食べてくれる益虫等)を利用した総合的病害虫管理(IPM)を行い、減農薬栽培に努め、また県内の家畜堆肥も積極的に利用しています。

ごぼうは、短根種の6月採りごぼうです。
この時期に採れるごぼうはとても香りが高く、JA産直市「とれたて元気市 となりの農家店」では、収穫前から「いつ頃出荷になるのか?」と問い合わせがある程人気です。
正月飾りには欠かせない葉牡丹。
農地のある東広島市黒瀬町は生花用の葉牡丹生産が盛んで、町内2番目の生産量です。
クリスマス以降、広島市の「とれたて元気市」には毎日のように出荷に行っています。

産直市やスーパーに出荷。コンビニの商品にも。

現在は、「とれたて元気市」2店舗、東広島市内のスーパー「エブリイ」を中心に産直市での販売を展開しています。
通販は行っていないのですが、出荷情報等の広告の為、Instagramアカウント「farm_ohshita」を開設しました。
また、JA広島中央の共販茄子「なす坊」が、2年前の夏からセブンイレブンのカップデリの素材として使われています。
(実績:2020年、2021年。ご好評であるようならそれ以降も行う予定です。)

ミニ白菜「こまい菜」を農青連のメンバーと共同生産。

農青連のメンバーと一緒に作っているのが、ミニ白菜。800g前後の大きさで収穫します。
「こまい菜」と命名しました。
2017年からの取り組みで、徐々に市場での評価も上がってきています。

増産と安定生産に向け、JAの指導のもと、作付けメンバー間での巡回や、種苗メーカーとの意見交換会を定期的に行い、栽培技術を研鑽しています。

盟友達とのつながりは大事にしたい。

現在は、コロナ禍においてなかなか盟友で集まる機会が持てない状況が続いています。
個人的に大雨や台風の被災状況の確認や生産物の生育状況等、連絡は取っていますが、以前ほど密な話ができなかったり、連絡が取れていない状態が悩ましい状況です。

(写真)増原委員長(当時)とのツーショット
このツナギは全国の農青連盟友共通のツナギ。
JA広島中央の多くのメンバーが持っており、結束と仲間意識は強いです。
1日も早くまたみんなで集まれる日が来ることを楽しみにしています。

不思議と「農青連に属している。」というだけでも親近感が湧くものです。その為にも、自分から積極的に前に出ることが必要と考えます。
県内に限らず、全国の農青連の人達の話が聞けたり、直接連絡が取れたり、研修に行けたりすることにより、色々な経営規模での問題点やメリット、生産方法の違いなどの方法が共有できることが大きいと思います。

(写真)JA広島市と合同で視察研修会の打ち上げ
「初めまして」な仲間で集まっても農業を通じて盛り上がる話は尽きません。

日々、植物の力強さを感じられるのは農業の魅力の一つ。

小さな小さな種一粒から芽が出、あんな小さなものからこんなに立派な茎・枝葉が伸び、大きな実をつける。
何となく当たり前に思っていたことですが、種を蒔くたびに「これからあんなになるのかぁ。」と感心しています。
そんな植物の力強さを日々感じられることは一つの魅力だと思います。
家族・子供と一緒に過ごす時間や触れ合える時間が持てるようになりましたし、出荷時の売場などでお客様から「以前、食べておいしかった。」など、直接声を聞けるのは嬉しいことですね。
ほんのちょっとしたことですが、人との繋がりを感じられることが次の生産意欲に繋がります。

天候の変化に負けない農業を。

露地野菜の栽培は、特に天気に左右されることが多いんです。
長雨で作付けが遅れてしまう等、気が焦れば焦るほど作業事故にも繋がるもので、トラクターがぬかるんで畑から出て来れなくなったり、ショベルカーが転んだり…。
かえって時間と労力が無駄に掛かってしまうことになってしまうのでそういった時には諦めが肝心!と言い聞かせ、焦らないようにしています。

天候・気候の変化が激しくなっている昨今、農青連の盟友やJA・行政機関とも連携し、天候・気候の変化に負けない生産方法、生産物の選択を考えていくことが大事です。
その為にも、先頭に立ってやっていきたい。
例えば、畑の硬盤を砕き、水はけの改善、作土を増やす作業。
一歩でも理想に近づく為、色々なことを試しています。

県内産を求める方に届けたい。

広島県は、農畜産物においては大きな消費地であると感じています。
自分の住んでいる東広島市ですら、水田面積は県内一と聞いているのに、農地を持たない方が多くいるように感じます。
まだまだ県内産を求める方との需給バランスは取れていないと感じる部分も多くあり、チャンスは大いにあると思います。
課題としては、国内屈指の中山間地域であること。まとまった場所での営農や、規模拡大が行いにくいのです。
気候条件が北から南まで様々な為、同一技術での生産を奨励しにくいことも生産拡大に繋がらない要因と考えています。

自分たちが食べるものは、自分たちで確保する。

世界的な人口増加、異常気象の増加等で、すでに輸入加工品等の値上がりも耳にするようになってきました。
自分たちの食料は自分たちで確保する。そんな当たり前のことが後回しになってきているような気がします。
そのような状況ではあリますが、「産直市」というものへ関心を持つ消費者が年々増えてきているように感じます。良い方向に動いてきてはいると思うのですが、出荷者の年齢層等を鑑みると、県内に現状の出荷量、生産力を維持する為には、今のうちに手を打っていかないと難しい部分が出てくるかもしれません。

JA広島中央農青連のFacebookもご覧ください。

JA広島中央農青連には、Facebookもあります。
コロナ禍が落ち着いて来れば色々なイベントも開催出来るようになると思いますので、ぜひチェックをお願いします。
https://www.facebook.com/jahirochu.youth
また、JA広島中央を含め、県内にも農青連組織のあるJAが多数あります。
興味を持たれた農家の方は、一度JAにお問い合わせください。

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